オジン機長 その3 カラスとゴミ

 カラスとゴミ

 定年後、いつの間にか俺は我が家のゴミ出し係になってしまった。

 ゴミ収集日には、我が家のゴミを町内で定められた場所に、しっかりと我が家の記号をゴミに記載して、カラス除けネットの中に入れる。

 生ごみは新聞紙に包んでカラスにつつかれないようにする。

 ゴミネットに入れて上下左右にレンガを置いて、カラスがゴミの中に入らないようにする。

 ここまでが、町内のゴミ捨ての取り決めになる。

 カラスは雑食で何でも食べる、

 特に生ゴミが大好きだ。

 しっかりゴミネットに入れているのに、生ごみだけを狙い、口ばしで、ビニールに入っている生ごみを引っ張り出す。

 道路の上は、カラスのつついた、生ごみが散乱する。

 汚く、匂いがする、通行する人は大変だ。

 町内の世話人が、大きな紙にゴミ出しの注意書きを出す。

 生ごみはしっかり、新聞紙に包んで出しましょう。

 出すゴミには、しっかり自分の家の記号を記載してください。

 我が町内では各家に、ごみに記載する記号が定めている。

 ちなみに我が家は Kと記載する。

 記載するのは俺の役目。

 時たま、記載されたごみがカラスにより散乱された場合は、ごみ世話人から苦情を言われる。

 注意してください、ハイ分かりました。すみません、

 先日、又、ごみ世話人がゴミ収集の注意書きを赤のマジックで大きく書いて、ごみ収集場所に貼ってあった。

 カラスは英語を読めます。記号の記載されていない生ごみがカラスにつつかれます。

 カラスは本当に英語が分かるのかな。

 我が家の周りには、独身者や中国の人がいる。

 朝、ごみを出す時は出勤と重なり、自分の家の記号を記載する時間がないのであろう。

 カラスの目は人間より、優れているらしい。

 ゴミの中の色の赤色、肉、や濡れたゴミ黄色の野菜の切れ端、卵、鶏肉が好きらしい。

 独身者は忙しいので、購入した肉などが、賞味期限が過ぎるのでそのまま、生ごみに出す。

 カラスは、それを待っている。

 既婚者は、奥さんがきれいに生ごみを新聞紙で包んで袋に入れて、ネットの中に入れるので、カラスは狙わない。

 英語でその家の記号を記載していない、生ごみはいつもカラスの、えさになる。

 カラスは、匂いは分からないらしい。

 家の近くにいる野良猫は匂いを感じる。

 カラスと野猫が生ごみを狙っている。

 今日がゴミ収集日。カラスが電線の上からのぞいていた。

 旨いものを出してくれ。

 カーカー

 この野郎、あっちに行け。生ごみをつっつくな。 

 大きな声で怒鳴るとカラスは電信柱の上から、アホー、アホーと鳴きやがった。