そう婦岩その2
硫黄島、小笠原諸島返還時の昭和43年ころの、飛行機や船舶の現在位置を出す方法は、
推測航法、天測航法が主力であった、
飛行機には、航空士といって、専門のナビゲターが乗務していた。
この航空士の技量により飛行機は安全に飛行できた。
現在の様にGPSがない時なので、自分の位置を確定するのは、大変だった。
航法機器はADFが主で、方位は分かるが距離は分からない。
このADF、進路を示す針がはっきり示さない。
雲の中ではフラフラ動いて、良く分からない時もあった。 沢山の誤差を発生する機器でもあった。
函館空港でYS-11が山に衝突して全員死亡したのは、このADFしか、当時なかったからだ。
この時代一番信用できるのが、ビジアルポイント、目で見た島や山が確実な位置を示す。
海上自衛隊の千葉下総基地を哨戒機で離陸して、硫黄島に向かう。
館山にあるADFが頼りだ。
ADFより目で見る島の位置がさらに正確だ。
伊豆7島、伊豆大島、利島、新島,神津島、三宅島、御蔵島、八丈島。その他に式根島、青ヶ島がある。
地図には載っていないそう婦岩島。
本土から船では30時間かかるらしい。
伊豆諸島最南端の岩の島。
周囲80KM以内には何もない島。
夕暮れ時に太平洋の夕刻ポツンとそびえたつ奇岩。
高さ100Mの高さで、岩が鉛筆の先の様にそびえる。
ゴジラにも似ている。米軍の兵隊さんの正帽をかぶった顔にも似ている。
数年前にNHKの放映のために、研究者が島に上陸した。
岩のてっぺんに行くためにはロッククライミング。
岩の、てっペンで、昆虫を発見する。
ウミコウロギ、ハサミムシ。
俺も、もう一回、この奇岩を見てみたい。
我が家の財務大臣の家内に相談した。
この奇岩を見る広告のクルーズで行ってみない。
ダメ、そんなお金ないわ、年金生活でしょう。
8月21より26日まで5泊も海の上。
海ばかりで何もないの。
飽きてしまうわ。
退屈、あなた一人でどうぞ行って下さい。
50万も出して海ばかり見るのは、嫌よ。
それもそうだな。
そう婦岩は見たいが諦めるか。
やめよう。
海上自衛隊時代の思い出にしよう。
懐かしいな、硫黄島、返還前に硫黄島に宿泊した時は、人間のガイコツやライフルの実弾の弾が硫黄島の海岸に転がっていたのを思い出した。
硫黄島にはサソリもいた。