今年のお盆 日光東照宮のトンボ
2男との旅行で、お盆に日光に行くことが出来た。
1日目は、早めにホテルに行く。
ホテルというより旅館であった。
部屋などは、リニューアルされて新しくなっているが、旅館の廊下には大きなトイレや洗面所が装備されていた。
修学旅行生も宿泊できる旅館である。
それも東照宮の敷地内にある旅館。
旅館の隣は東照宮関係のお寺の敷地であつた。
なんか懐かしさを感じた。
もしかして、俺が中学生の時に宿泊した旅館かもしれない。
後で、旅館の人に聞いたら、古かった旅館の写真を見せてくれた。
古くなったので建て変えたという。
古い旅館の建物の写真を見ると、なんとなく感じるものがあった。
温泉に入り、美味しい御馳走と、ビールと焼酎を飲み、ぐっすり睡眠できた。
翌朝4時には目が覚めた。さっそく朝風呂。
気持がよい。
5時には家内も目が覚める。
朝飯まで何もすることがない。
それでは、東照宮に行こうか。
二人で早朝から東照宮に行く。
歩いて5分、家内の足が遅いので10分で東照宮本殿に行けた。
巡回中のガードマンに聴くと、本殿入場は、9時かららしい。
見ざる、聞かざる、しゃべらざるは、見学しなくても良いか。
東照宮本殿、その周辺の他の施設もゆっくりと、お参りできた。
お父さん、ほら、トンボ。
ゆっくり、ゆっくり歩いている我々夫婦と一緒に赤とんぼと同じ大きさの、薄い茶色のトンボが俺の肩に止まったり離れたりして、ついてくる。
お父さん、そのトンボ、長男だよ。
そうかもしれないな。
長男は、昨年職場で倒れ、天国に行ってしまった。
会社のために、朝早くから夜遅くまで酷使された結果なのに、労災も出ない。
その長男は、トンボが好きだった。
俺が27歳の時に生まれたのであるが、俺の27歳から31歳までの間は、とてつもなく、忙しい毎日であった。
当時、千葉の海上自衛隊下総基地での勤務。
えらいさんが、嫌がる任務はすべて、行う。
地上での職種は、分隊長、分隊長と名前は良いが部下の内務処理が仕事。
部下の女性との問題、喧嘩、職替え、家庭内の問題の処理、借金問題どれも解決策は少ない。
飛行作業のない日の勤務は、8時から16時30分までだったので、夜はお茶の水にある中央大学のスクーリングに通っていた。
朝は5時半に起きて、ラグビー部の朝練。
今考えても良く体がもったものだ。
当然、物覚えを、しだした、かわいい2―3歳の長男と遊ぶ時間は全然ない。
ある時、時間を見つけて近くの公園に、よちよち歩きの長男と行った。
その時に、トンボが沢山飛んでいたので、長男に、指をグルグルまわして、トンボを捕まえる方法を教えたところ、長男は直ぐにトンボを捕まえることが出来た。
その後、俺が家に帰るたびに、俺に、まつわりつき、パパ、トンボと俺に見せるようになった。
時間がなかったので、邪険に、幼い長男をあしらった、冷たいパパの俺。
悪かったなーー長男よ、ごめんな。
その長男トンボが東照宮を見学中の俺たち夫婦とずーと一緒にあちこちと参拝しくれた。
お盆だな。 安やかに眠れ、長男よ。