バレンタインデー。義理チョコ
ピンポーンとインターホンが鳴り外に出て見ると、いつも剣道を教えている小学生の女の子供がいた。
先生、このチョコレートをどうぞ。
見れば、パンダの顔をしたチョコレートが、きれいな入れ物に入ったチョコレートがあった。
俺にくれるの。 ハイどうぞ、自分で作ったの。
ありがとう。 嬉しいな。
そうか、コロナで何もかにも無茶苦茶になっているが、今日は、バレンタインデイか、
チョコには張り紙が付いており、
いつも剣道教えてくれてありがとうございます。 これからもよろしくお願いしますと書いてる。
ありがとう、ありがとうとお礼を言った。
長年剣道を続けていてよかったと思う瞬間でもあった。
小学生の女の子が一生懸命自分で作ったチョコレート、食べるのはもったいない。
机の上に置きしばらく眺めることにする。
そういえば、少し前までは、我が孫娘や家内までも、俺に義理チョコをくれた、なつかしい時代もあったなーー
現在は、ジジーの俺には、身内の女性は誰もふり向きもしない。
ひがみ根性もでる。
バレンタインデーは、元々は豊年を祈るキリスト教の行事。
ローマ帝国時代、若者の結婚が戦争のため禁止になり、バレンタイン牧師が内緒で結婚式を行い、バレて、処刑になった日。
この日、女性が名前を札に書いて箱に入れる。
この札を引いた男性と交際、結婚できた日。
チョコレートを贈る習慣は、なかった、
いつの間にか、デパートの宣伝に乗り、女性が男性にチョコレイトを贈る日のキャンペーンに、乗ってしまった日本。
そして義理チョコ、友チョコ、逆チョコまで、できた。
台湾のバレンタインデーは2回もある。
それも男性から女性に贈り物をする日。
花束やマフラー ケーキを男性が女性に贈る。
義理チョコの習慣は、ないらしい、
韓国では、誰からもチョコを貰えなかった男性のために、ブラックデーもある。
黒い食べ物を食べて、淋しくブラックコーヒ―を飲む男性の日だそうだ。
何はともあれ俺は、この年齢でまだ、義理チョコを貰えたのだ、
つくづく、もらったチョコを眺めていると、パンダの顔をしたチョコは、俺にくれた小学生の女の子の顔に似ている。
かわいいな、――
食べるのは、もう少し延ばそう。
ありがとうございました。