横浜港
有明海の海 夕陽
私は,大手航空会社の中型ジェット機乗務を定年後、熊本県天草にある天草エアーラインの開発要員として、3年間天草で生活した。
天草エアーラインは、たった1機のプロペラ機で運用している、小さな航空会社だ、
私が乗った飛行機はDH-8 カナダ製で乗客は39名乗り、小さな飛行機だ・。
天草の本渡市(現在は天草市)に,熊本県の当時の知事であった、細川知事の発案で出来た空港であるが、滑走路の長さは千メートルしかない、
従ってジェット機は飛行できない滑走路の、長さの飛行場だ。
天草は当時、交通の不便なところで、天草から福岡までは車で片道6時間もかかり、熊本までも2時間の所要時間がかかる。
これを、小さな飛行機DH-8で福岡まで35分(俺は25分)熊本まで20分で行けるようになった。
それで私が勤務した3年間は、いつも飛行機は、満席になり、会社も黒字をキープ出来た時代だ、
当時のマスコミは、すぐに潰れる航空会社と、騒いだが現在も元気に運航している。
定年後もいつも天草の景色と、有明海の美しさを思い出す。
毎日、天草下島の本渡市の西側にある五和町の高台にある飛行場からプロペラ機のDH-8で離陸して、右に宇土半島、左に普賢岳のある島原半島を見ながら、有明海に浮かぶ湯島の上を通り、荒尾、大牟田,柳川市、脊振山上空を飛行して、福岡空港に着陸する。
1日、3往復。熊本空港往復の勤務だった。
通常は2クルーで行うが、場合によっては、人がいないので1クルーで行う時もあった、
時にはきつい勤務だと、陰ではぶつぶつ文句を言っていたが、今となっては楽しい仕事であつた、
特に飛行機の外に見える景色にはいつも感激していた。
輝く有明の海の美しさ。
朝の初便では朝日が九州に顔を出す。
日の出の有明の海、
最終便では、有明の海に沈む夕日の美しさ、
大きな真っ赤な夕陽が有明の海に沈む時は、有明の海は黄金色に輝き、海の上は小判を撒いたよう黄色に踊りだす。
気象予報士の森田さんの話によると、世界で一番美しい夕陽は、バリ島、ナポリ、日本の釧路だそうだ。
その日本の釧路の夕陽よりも美しいのが、有明海の夕陽だと、私は思う。
特に春の、有明海の夕陽が世界で一番美しい。
まっ黄色の夕陽は、天草有明海にしか、ないと、思う。
あの黄色の美しさは中国からの黄砂のためだ。
美しさと、邪魔にしか、ならない黄砂。
真黄色な夕陽の有明海の海。
もう一度戻りたい人生。
懐かしく思い出す。