海の海苔
お父さん、今日は友達から韓国の海苔を貰ったから、今日の夕ご飯は、手巻き寿司にしましょう。
家内からの夕飯のメニュウの発表だ、
最近、俺に今日の夕ご飯、何にしましょう、
昨日の残り物でいいかしらなどと、俺に尋ねるようになったきた家内。
俺の答えはいつも、何でもいいよ。
白米と梅干があれば、何でもいいさ。
俺の少年時代は戦争の後で、食料難で白米などは、めったに食べれなかった時代だ。
芋や、かぼちゃを混ぜた麦飯だったので、現代の子供の様に贅沢なおかずは、必要ない。
手巻き寿司 最高。
でも、何で韓国の海苔なの。
韓国の海苔は、日本の海苔よりも、おいしいの。
あ、そうですか。
日本の海苔も韓国の海苔によりも美味しいのがあるだろうと、家内には反発しない。
すぐに夫婦喧嘩に転じるのは、経験済みだ。
日本の柳川の海苔が世界で一番美味しいと、先日テレビの番組でやっていたことを思い出す。
柳川か、福岡に近い有明の海は、いつも海苔の養殖が盛んで、ノリの養殖作業のため。小さな小舟で多い時は,千船以上の作業船が有明海の上を動きまわっていたことを思い出す。
それを、有明の海の上空から眺めながら、天草―福岡を小型機で飛行した。
漁師さんは、寒い時も暑い時も、小舟で、よく働くな、と感心したものだ。
こんなに働くのは日本人だけだ。
有明海の海苔は、韓国の海苔より、おいしいに、決まっているぞ。
これも家内には、口に出しては言わない。
喧嘩になる。 くわばらくわばら。
ある時、有明海の海を上から見ると、沢山の、色のついた魚が泳いでいるような光景が見えた。
魚ではない、色のついた絨毯か。
美しい有明の海をうめつくす。
有明海、秋の風物詩
養殖ノリの種付け作業だ。
福岡、佐賀、長崎、熊本の有明海沿岸の4県で一斉に海苔の種付作業が始まる。
何でも海苔の網に、海苔の胞子を付けた牡蠣の殻をつるして網に付ける。
その網には、漁師さん好みの色がついている。
赤、緑、紫、青、網の色によって海苔の成長が異なるらしい、
漁師さん、40代、赤と緑、50代、薄いグリーンと赤、60代オレンジ、紫、年代により網の色の好みも違うらしい、
誰よりも美味しい海苔を作ろう、漁師さんたちの研究研鑽が素晴らしい。
泳ぐ網を支える棒のようなものには,こいのぼりも付いている、
鳥よけか。
こんなにまでして頑張っいる、有明海の漁師さん、
韓国の海苔よりも、有明海の海苔の方が美味しいに決まっている。
そう思いながら、韓国の海苔で手巻き寿司を食べた。
家内には、有明の海の海苔については、話しません。
美味しいな、今夜の手巻き寿司は。もう1本ビールを飲もうぜ。 冷えた、ワインもお願いします。