新北九州空港
我が家の奥様が、長崎のハウステンポスのバラの花を見たいという。
それでは、行こうか、北九州へ。
ツアーを探したところ、3泊でハウステンポスにも宿泊で出来るツアーがあった。
出発は羽田空港。
どこの空港に行くのだろうか。
行き先は、新北九州空港であった。
やっぱりな。
ツアーの料金を抑えるためには、旅行会社は、航空運賃を安くするために、比較的通常のお客様が利用しない空港や、あまり利用のお客様がない時間帯の出発の設定をする。
新北九州空港は、昔の小倉空港の沖合に出来た3千Mもある、立派な空港だ。
俺が現役時代にいつも行っていた、小倉の空港は、着陸までの操作が大変だった。
小倉空港は山に囲まれ、いつも雲が多く、おまけに、高圧線などの障害物が沢山あって一歩間違えば大変なことになる、危険な空港だった。
雲の中を小倉に着陸するためには無線施設も、宇部の無線施設から、降下を始め、小倉の旧式進入装置の周波数にセットして、宇部から距離により、進入を開始する。
滑走路が見えないときには、進入をやり直す操作も難しい。 空港のすぐ先は山だ、
滑走路が見えないときには、滑走路手前、1マイルで上昇しながら、北九州VORの周波数にセットして、そこに向かう、すぐに右に旋回で小倉の無線装置VORに周波数をセットし直して、そこで低い高度で待機して旋回に入る、
大変な操作であった。
副操縦士もベテランにならなければ、出来ない操作だ、
乗員の誰もが、あまり行きたくない空港。
雲の多い、見えにくい、障害物があちこちにあり、制限事項が沢山あり、気象条件も悪い空港。 山や障害物に囲まれた空港。
滑走路の長さも他の空港よりも短い。
いつも、天気が悪い時には、小倉に着陸出来ず代替空港の福岡に行ってしまうので、お客様は少なかった。
その空港で俺は、C航空会社の定年のラストフライを行ったので、懐かしい空港でもある。
特に最終便は夜間になるので、難しい。
その夜間の最終便が俺のラストフライト。
雨の中をギーギーとワイパーを動かしながら、雨を払い、いつも目標にしていた、ハジマ、マジマを通過してワイパーの間から、滑走路がようやく見えて、着陸出来た俺のラストフライト。
その夜は、小倉宿泊、酒と料理がうまかったなーー
今でも鮮明に思い出す。
その空港が障害物のない、海の上に移動して、進入装置も最新式のILSがあるので、現在は自動着陸も出来る空港に変身した。
乗員さんも操作に苦労した、昔の苦労した小倉空港など知らない人いるだろう。
懐かしい小倉空港、安いツアー客の一人のつぶやきだ。