誕生日

                              イーチャン

  誕生日

 今年もまた、俺の誕生日がやって来た。

 もうそんな時期か。

 月日の過ぎるのは、光陰矢のごとしだ。

 さっそく、孫たちから、お祝いの電話や、贈り物が届く。 

 嬉しいには違いないが、なぜか、淋しい。

 後、何年の命かなと、考えると。

 俺の命を誕生日に祝ってくれる、子供たち孫、息子の嫁さんに感謝である。

 誕生日の今夜は、いつもの夜よりも豪華な料理で、沢山焼酎を飲めるぞ。

 これも楽しい。

 その、誕生日の焼酎を飲んでいると、午後8時近く、我が家の呼び鈴が鳴る。

 ピンポーン、 ピンポーン

 誰だろう、こんな遅くに。

 我が家には、最近めったに夜の訪問客は来ないのだ。

 ハーイ、今出ます。

 玄関を開けると、いつも剣道を一緒に行っている、かわいい娘とお母さんが立っていた。

 何の御用でしょう。

 先生、お誕生日おめでとうございます。

 これは、プレゼントです。

 エツーーー

 びっくり仰天だ。

 なんで俺の誕生知っているの。

 FACE BOOKで見ました。

 いつも剣道ご指導ありがとうございます。

 そういえば、FACE BOOKでは、俺が頼みもしないのに、今日は、なになにさんの誕生日ですと、世界にインターネットで放送をしている。

定年後、4-5年は、俺は、そのFACEBOOKを見て、友人に誕生日おめでとうのメールを送っていた。

 それが、後期高齢者になると、この先、何年の命かも、不明になる。

 誕生日おめでとうの、メールを友人にしなくなる。

 当然友人からの、俺に対するメールも来なくなる。

 今年は2通だけだ、それでよいのだ。

 しかし・、こんなかわいい娘からの、お祝いは、涙がこぼれるほど、うれしい。

 剣道をやっていて、良かった。

 ありがとう。 

 娘さんが作った、お祝いの箱と、飛行機の模型が、入った、プレゼントをもらった。

 サプライズ。

 飛行機の尾翼には、娘さんと子供さん、お母さんが手書きで書いた、メールが張ってある。

 先生誕生日おめでとうございます。

 いつまでも、元気に剣道教えて下さい。

 ありがとうございます。 

 

 泣けてくるな、生きている限り頑張るぞ、

 生きる勇気を貰った、誕生プレゼントだ。