馬路村

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                       我が家のキュウリ

馬路村

 夕方,ぼけっと、テレビを見ていた。

 ピンーポーン玄関のインターホーンが鳴った。

 ハーイ 今行きます、すぐに返事をする。

 すぐに返事をしないと、最近の若い宅急便の配達人は帰ってしまう。

 不在届けをポストに入れて。

 またその不在届けの手順に従って電話をするのも大変な労力を必要になる。

 玄関のドアーを開けて外に出ると、かわいい剣道を教えている、女なの子が立っていた。

 君か、なんの用事。

 先生、高知県に旅行に行ってきました。これ先生に、お土産です。

 エッ、この俺に、ありがとう。

 女の子は、おれに土産の袋をくれた。

 嬉しいな、旅行は楽しかった。女の子としばし、会話をした。

 土産を置くとすぐに、帰って行ったが、うれしいな。

 この年まで剣道を続けていて、良かったなと思う時間でもある。

 家に入り家内と土産の中身を空けてみた。

 馬路村ごっくん という、飲料の牛乳瓶よりも少し小さな目の飲料であった、

 さっそく冷やして、頂いた。

 ゆずと蜂蜜入りの飲料で普通のジュウスよりも美味しい。

 美味しいね、楽しいね。女なの子の土産をうれしく飲むことが出来た。

 穏やかな、老夫婦の時間、

 穏やかな雰囲気は直ぐに変化する、

 あんた、この村の名前を知っている。

 バジムラか、バジムラ?

 こんな漢字も読めないの。 バミチムラか。

 貴方、本当に知らないんだ。

 その箱にフリガナがあるでしょう。

 テレビなどで有名な所よ。

 そういえば、いつかのテレビ番組で、四国の山奥に暮らす老人が家の近くの、葉っぱを京都の有名料理店に送り生活の足しにしていた番組を思い出す。

 あの村か、家内は自分の知識を俺に披露する、うまじむらというの。あんたは、最近ボケてきたね。 なんだと。先ほどまで、和やかな雰囲気は、地獄の雰囲気になった。

 馬路村は、もともと林業の村であったが、林業がすたれたので。ゆずの木を植えて生活する村だ、高知の山奥にあり、人口800人の村で温泉もある。

 信号機もコンビニもないが。自然豊かで、若者も多い村。

 挨拶が出来て元気のいい人は温泉で働くといい。 宿泊施設と社有車が与えられ、温泉入り放題。

 おれもアルバイトに、行きたくなった。

 葉っぱ売る村とは異なるらしい。

 馬路村温泉行きたくなった。