相撲チョンガケ

相撲 チョンガケ

 大相撲の中継のテレビを毎回見ている。

 若者同士が、ふんどし、1本で、狭い土俵の上で、ぶつかり合う。

 男の世界。 若者の世界、勝負の世界。

 取り組みを、見ていると、なんとなく、元気が出てくる。

 そして、俺の若かった時代を思い出す。

 相撲と俺のかかわりは、俺が24歳で自衛隊の少尉になった時から始まる。

 自衛隊では、毎年部隊対抗の相撲大会が行われていた。

 当時、俺は、ラグビーに夢中な時でもあった。

 部隊は、5個くらいありさらに,群になる。

 部隊の相撲大会から、更に群の大会になり、更に、海上自衛隊の相撲大会まで、実施されていた、

 相撲大会の団体戦は5人、大将は幹部と決められている。

 兵隊さんには、相撲の強い人は、多数いた。しかし幹部となると、みんな恰好つけて、相撲はやらない。

 相撲なんか、幹部がやれるか。そんな奴が多かった。

 えらいさん、から、俺に声がかかる。

 お前、ラグビーが出来るから、相撲大会に出ろ。 命令だ。命令ならしょうがない。

 しょうがない、相撲大会の大将になるか。

 兵隊さんの相撲部の連中から、稽古を受けれるが、相撲にならない。

 しかし、俺には、ラグビーで鍛えた、相撲の技があった。

 それは、チョンガケ

 ラグビーの前列をやっていたので、スクラムに、ボールをハーフがボールを入れて、それを、前列のスクラムが足でひっかいて、後ろに、ボールを出す。

 これを、相撲に応用する。

 相撲で相手にぶつかり、相手の出ている足を、ボールとみて、自分の足を前に出し、引っかける。

 これが、うまく行くと、どんな大男の相撲部員でも、ドシーンと、ひっくり返る。

 この手が、相撲の俺の武器だ。

 相撲大会で、団体戦の大将まで相撲を取った、選手が2勝2敗。5人制。

 大将の俺は、チョンガケ専門、見事に決まる。大男がドシーン、チョンガケ大成功、また勝ったぞ。 いつの間にか団体優勝、

 やったネ。

 その結果、毎年相撲の幹部の選手は、俺に決定されてしまった。

 毎年、幹部なので、弱いのに、相撲部で監督、マネジャーをやらされたものだ。

 余り好きでもないのに。

 このチョンガケの技は、現在の大相撲でも見たことがない。

 昔の、岩風という力士の技だ。

 この技は、相手に、ばれると、2度とかからない技でもある。