オシッコ
公衆トイレに入り小用をした。
白い便器の下の方に、ハエが止まっている。
ハエをめがけて、便器の前に進む。
一歩前進、半歩後退。
一歩前進、外に漏らすな、白玉の露。
良いアイデアだ。
男性は、少年のころに、オシッコ飛ばし遊びをした、経験があるからだ。俺たちだけ、かもしれないが、
俺もその時は、元気がよかった。
隣の垣根を越えて、勢いよくおしっこが出たものだ。
そういえば、ミミズにかけると、何が,腫れると、友達がいうので、餓鬼仲間でミミズめがけて、発射したものだ。
今、思えば、馬鹿なことをして、遊んだ少年時代。 懐かしい。
それに比べて、今はどうだ。
たらたらと元気なく出る、我がしょんぺん。
そのたらたらが、出るまでには、時間がかかる。
後ろで待っている、若者がこのジジイー早くしろと言いたそうな、態度で待っている。
目標のハエには、勢いがないので、うまく当たらない。
情けなや。
しかし日本の公衆トイレは、立派なものだ。
外国では、有料トイレが多いのに、日本はほとんど無料。
素晴らしい。
昭和50年代は、航空界が、一番景気が良かった時代だった。
現在の割引制度はなく、全部、フルフエア。
飛行機も、新幹線がまだ伸びていないので。いつも満席状態が続いていた。
地方空港の飛行機も、YS-11から、中型機、大型機に変わっていく。
そのため、地方空港は。1200M滑走路から、2千M.2500,3千メートルに変わって行く。
北海道、女満別空港等は当時、現在の工事現場にあるような、バラック建物。
待合室なども、長椅子、座れないお客様もいた。
そのような空港の建物が近代的な建物に変身した時代でもある。
新しくなった空港建物に行って、一番、最初に行うのはオシッコ。
白い便器に、まだ元気であった、俺のおしっこを発射する、
早くオシッコを処理出来た、
当時は終わった後に、ボタンを押して流しましょうという便器。
それが書いてない、
目の前の赤いライトが急に点灯する、
なんだ、これは。
便器を離れると、水がジャーと出た、
これ、カメラが付いているのかな。
不思議に思って、なにの付近に人差し指を出して、ライトの点灯を確認した。
ライトの点灯は、なかった、
安心した。よかったな。
現在では、どこの公衆トイレでも、自動的に,オシッコの後に便器から離れると、自動的に水が、ジャーと出て洗浄される。
世界一、近代的で、きれいな日本の公衆トイレ、
それも無料。
赤いライト点灯の、空港トイレ、
今では、元気のない俺がオシッコをするたびに思い出す。
歴史は流れている。