皆既月食

                               イーチャン

 皆既月食

 442年ぶりの、皆既月食と、新聞に出ていた。

 皆既月食は、そんなに珍しいのか。

 良く新聞を見たら、皆既月食と惑星食が重なるのが、442年ぶりということらしい。

 時間は18時ころから21時ころになるという。

 今夜は,剣道の稽古日だ。

 剣道の稽古時間は、19時から20時30分まで近くの小学校の体育館で行う。

 18時30分ころ、稽古のため家を出る。

 夜空を眺めると、雲一つない空には、お月様がいた。

 満月の左下の部分が黒く欠けだしていた。

 皆既月食で地球の影に入りだしたのだな。

 剣道の稽古を今夜は止めて、月見にしようと思うがそうはいかない。

 19時から、子供たちと剣道の稽古を始める。

 俺の剣道稽古中に、月を見ていた家内の話によると、お月様は19時30分頃には、全部なくなったという。

 ただし、黒色にはならず、赤黒の赤銅色に変わったという。

 剣道の稽古が終了して、20時45分頃、体育館を出ると、右上の赤い月が待っていた。

 赤い月か。

 どこかの小説で読んだことのある月だ。

 不思議だなーー

 家に帰り、剣道帰りの美味しいお酒を飲みながら、お月様を見る。

 左半分の三日月になっていた。

 この夜空の三日月を写真撮影すると、薄い満月となるのも、不思議だ。

 21時からのN局のニュースを見ていたら、お堅いN局では珍しく、皆既月食の項目の初めに、岐阜の信長お祭りの、キムタクの画面が出て。おのおの方、出陣だーーの場面が出た。

 お堅い報道のN局も少し柔らかくなって来たのか。 良いことだ。

 テレビの画面では、月の下側にある天王星が小さく映り、出していた。

 月がこの天王星を、隠していたのが、出てきたらしい。

 つまり、お月さんの皆既月商と惑星の天王星食が重なったわけで、この2重の現象が442年ぶりとなることらしいな。

 天文学者、星の観測の好きな人には、たまらない現象だという、

 夜空の惑星を交えた、お月様の天文ショウー。

 信長時代の惑星は、土星食だという。

 信長もこの現象を見たのではないかというが、本当に見えたのか疑問だ。

 天文望遠鏡が日本に入ったのは、家康時代からだ。

 戦に忙しい織田信長は、ゆっくりお月様を見上げる時間は、あったのかな、

 そんなことは、どうでも良いか。

 俺は、月を眺めながら、焼酎のお湯割りを、もう一杯飲もう。

 今日も良い日だ、これが本当の月見酒だな。

 幸せを感じる夜でもある。