舞ちゃんの操縦

                               イーチャン

舞ちゃんの操縦

 N局の朝ドラで舞い上がれという番組が放映されている。

 小さい時から大空にあこがれて、空を飛ぶのを夢見ている少女の物語と期待して、俺は見ていた。

 かって、放映された、キムタク主演のグットロックというテレビ番組は、面白くパイロットの生活を描いていたので、毎回欠かさず俺はテレビを見ていた。

 キムタクのパイロットの演技はかっこよかったな。

 今回の舞い上がれの、朝ドラはどんなパイロット生活を描くのであろうか。

 そんな期待をして、朝ドラを見ていたが、キムタク主演のグットロックとは、全然異なった。

 朝ドラの物語の流れに、一貫性がない。

 撮影場面が、長崎の5島列島に、飛んだり、大阪のネジ工場に飛んだり、どうなっているの。

 最近は訳の分からい、若者の恋愛テレビの内容に移行している。

 俺はてっきり、若い元気な女性が、厳しい飛行機の訓練を克服して、女性機長になる物語と期待しが、全然異なり、面白くない。

 朝ドラは、見ている人たちが今日一日元気に頑張ろうというような、内容でなければ、意味がないのでは、ないかと思う。

 最近は、毎朝見るのをやめた。

 テレビ番組の中の舞ちゃんが、大学で鳥人間コンテストに出る場面と、航空大学に入学して、訓練を受ける場面は、見ていた。

 航空大学の入学資格は、大学の2年生までの単位を取ったものであるが、最近は大学修了者がほとんどだ。

 宮崎で操縦士基礎課程を7か月行い、帯広、仙台で訓練を行う。

 帯広の訓練は単発機の訓練だ。シーラスという飛行機を使用している。

 過去にはボランザという飛行機で航空大学は、訓練していた。

 舞ちゃんが帯広で飛行機操縦の訓練の場面が放映されていたが、あんな状態では、飛行機は墜落してしまう。

 スタジオで撮影したと、別の番組で話していたが、動きのいない景色と操縦だ。

 操縦に、一番大事な眼の動きが全然ない。これは操縦に致命的な、打撃を与える。

 沢山の飛行機の計器をまんべんなく、いつもチェックしなければ、飛行機は水平に真っすぐには、飛行できない。

 2つ目、手足の動きが全然ない。

 水平飛行をするためには、自動操縦装置を使わないときは、手足を微妙に動かして、高度の変化や、速度の変化、方向の変化に対応する。

 空中の気流は一定ではないからだ。

 飛行機を持ち上げたり、下に引っ張ったりと、気流の流れは激しい。

 3つ目は判断力。

 空中では頼れるものは、自分だけだ。

 積極的に自分の判断で飛行機を操縦するのだ。 舞ちゃんには、それがなかった。

 従って、舞ちゃんの帯広での、撮影記録のみで判断すると、俺の過去の40年の飛行機操縦教官の立場からすと。免許はあげられない。

 一点集中、判断能力不足。勉強不足。 

 操縦士不適格の判断だ。