オジン機長 その3 バナナ

 

 バナナ

 最近 毎日バナナを食べている。

 昼飯の後で1本食べるのを習慣にしている。

 バナナを食べると、翌朝の便通が楽だからだ。

 家内のお供で、買い物に行くが、いつもバナナの値段が気になる。

 今日は133円か、昨日は98円だったのに。

 家内はいつも値段が最低88円の時に、バナナ1房を買い物かごに入れる。

 それも1房に4本ついている房を。 

 何で コッチ、             大きい方を                    だめお父さんの4日分。

 時には、エクアドル産の350円のバナナを食べたいな、 ダメ、年金生活なの。

 あ、そう、などと言いながらバナナ売り場を通り過ぎる。

 安い時に買うので保存が大変だ。

 バナナをつるしておくと長持ちすると聞いたので、俺の食卓の脇には、いつも88円4本のバナナがぶら下がっている。

 昨日スーパーに行くと、時間サービスでバナナを売っていた。

 家内は素早く行列に並ぶ。

 見事、特売バナナ ゲット。

 何と100円で1房3本のバナナ、6房。

 なんでこんなに安いの。

 いいの、お店屋さんが考える事。 

 あんたが心配することじゃないの。

 それにしても気になる。こんなに安く売っては、バナナがかわいそうだ。

 思えば昭和20年代、俺が少年時代にはバナナは食べたことがなかった。

 昭和30年代、店頭にバナナはあったが高価で庶民は食べられなかった。

 昭和40年代、ようやく庶民が食べれる値段になる。

 病気見舞いにバナナを持って行くと、喜ばれた。

 お祭りには、露天商がバナナのたたき売りをして売っていた、

 買っておくれよ、お客さん。このバナナ。

 生まれはタイワン台北でボート色気が差すころに、国定忠治じゃないけれど、1房、2房もぎ取られ、籠に詰められ、汽車に乗る。お舟に乗せられ、金波、銀波の波を超え、海原遠き船の旅、やって来ました門司港へ。

 船底蒸室気温が高い、

やっと黄色に色づいて、恋でもしようと思う頃、バナナ市場に持ち出され。

 サーさ,買ったカッター

 高いか、高くていいのは、人の鼻、低くていいのは、人の腰

 渥美清さんの寅さんを思い出す。

 調べて見ると、明治時代から台湾からのバナナが九州の門司港に荷揚げされ、門司港でバナナのたたき売りが行われていたという。

 いずれにしても、安いバナナが毎日食べられことは、いいことだ。

 そういえば家内は。10年前には、バナナダイエットが流行して、朝飯はバナナ1本食べていたな。

 全然効果がないのに。

 お店にバナナを買いに行くと1週間は入荷しません。 そんな時もあった。

 100円で6房のバナナ、

 どうしよう、車に燃料を入れてくれた、ガソリンスタンドのお兄さんへ腹がすいたら食べなと1房あげると、大変喜ばれた。

 車のガラスはいつもよりもピーカピカ。

 バナナを貰って喜んでいるアルバイトのお兄さんに、それ、1房20円だよと、言おうと思ったがやめた。