我が家の梅の木

                              イーチャン

我が家の梅の木

桜切るバカ。梅切らぬバカと亡くなったジーサンはいつも行っていた。

 愛しの我が家を新築した時に、小さな庭に梅の木を植えた

 梅の木は、すくすく成長する。

 2月の寒い時期になると、毎年かわいく、きれいな梅の花を咲かせてくれた。

 そして、その梅の花には、メジロやヒナや尾長など珍しい鳥がやっててくる。

 小さかった梅の木はいつの間にか、2階のベランダよりも、高く成長した。

 大きく成ったなーー

 そして数年前には、ヒヨドリが、巣を作り卵を産む。

 ふさふさと茂る梅の葉っぱの枝。

 俺は毎年この新しく延びる梅の枝を長く延びる植木のハサミで切りながら、ジーさんのことを思い出していた。

 そして、5月になると、毎年沢山の梅の実が付いていた。

 子供や孫と一緒に梅の実を収穫するのが、我が家の楽しい行事の一つであった、

 梯子を使ったり、車の荷台に乗ったり。小さな孫が、木に登ったり。

 わいわい、キャーキャー

 家内と息子の嫁さんが協力し合って、その梅を洗い、砂糖と焼酎で梅酒の仕込みをする。

 2升か3升の梅酒が秋には完成する。

 その梅酒を飲むのも又楽しい我が家の行事であった。

 その大きく成った、梅の木も昨年から元気がなくなった。

 確か昨年は、梅の実がいつものように実らず収穫が少なかった、

 鳥などの受粉が少なかったか、日照不足かなと思っていた。

 今年に、なると梅の木は、さらに元気がなくなる。

 2月には、梅の花が数輪しか咲かない。

 3月になるといつも元気に出ていた,新枝も出てこない。

 小さな梅の実が5-6個しかない、

 もう俺と同じ老人になったのか。

 思えば愛しの我が家も新築から30年以上も経過している。

 かわいく、うるさかった子供や孫たちもいない。

 淋しくなったなーー

 調べてみると梅の木は、経済的寿命は25年で収穫が無くなるという、

 ウメの農家は25年を目安に新しい梅の木に植え替えるそうだ、

 しかし観賞用としては、100年以上梅の寿命はあるという。

 ポヤポヤ葉っぱが生えだした、新緑の我が家の梅の木、

 長い間、梅の実を沢山我が家にくれてありがとう。

 俺と一緒に最後まで頑張ろう。俺が生きているうちには、絶対切らないので安心してくれ、

 観賞用として末永く。生きようではないか。

 ウメさんよ、ウメー梅酒は今年から、もうないのかよ。 ともに長生き、しようぜ。