鶯の声

 鶯の声

 朝目が覚めて、寝室の窓を開ける。

 空気の入れ替えをするためだ。

 寝ぼけ眼で外の景色を見ていたら、鶯の声が聞こえた。

 ホーホケキョ ホケキョキョ、ケチョケチョ

 我が家にも春告げ鳥の鶯がやってきたのだ。 

 我が家の小さな庭の前は、お隣さんの大きな庭、

 そこには沢山の木と藪がある。

 その中に住むために鶯は、山からやってきたに違いない。

 毎年、桜の咲く季節には、この鶯の声を聴くことが出来る。

 あと何年この声を聴くことが出来るのかな、

 と考えると、その声はいとおしく感じる。

 ホーは吸う息、ホケキョは吐く息。 

 剣道に似ているな。

 ヤーメン 違うか、剣道は吐く息のみの発声なのだ。

 1日に鶯は千回も鳴くらしい。

 誰が数えたのかな。

 暇な人もいるものだ。

 また鳴いた、 これで3回か。

 ケキョケキョ メスにオスは警戒警報出す。

 猫が近づいたぞ。

 ドラ猫が鶯の声の近くで、鶯を狙っているのが見えた。

 我が家の梅の木も新緑に変わった。

 梅の花が咲いていたころには、メジロがよく梅の木にやってきたが、鶯はメジロにそっくりだ。

 ホーホケキョと鳴くオスの鶯さん、メスの奥さんと仲良く暮らせよ。

 余計な心配をした。

 そういえば、我が家の周りには、最近ツバメがいなくなった。

 4月になると南のから、やった来るツバメ。

 都会には、住めなくなったのか。

 田舎の軒先にツバメが巣を作り、5月にはツバメの巣の中には、ピーピー鳴く、燕の子供の光景を思い出す。

 メジロ、ひな鳥、鶯、燕。

 小鳥たちは春が来たぞと、活躍しだす。

 人間も今年も春が来たぞと頑張る季節だ。

 鶯の声につられて、頑張るか。

 剣道の竹刀でも握る気分になった。

 それにしても、腹も減ったな。

 朝飯を食べるのが優先事項なり。