歯痛

                       横浜 山手イタリア山庭園

歯痛

 食事をしていたら、ザクと異物を噛んだ。

 何事が起きたのか。

 良く見ると、自分の虫歯を治療したところに入れる、金具が外れてそれを噛んだのだ。

 又、あの痛い歯医者に行くのか。

 すぐにいつも行っている歯医者に予約の電話を入れた。

 その歯医者は、我が家族が横浜にやって来た時からの歯医者だ。

 オヤジさんと奥さんが歯医者であったが、途中からその二人の娘が歯医者になり、現在営業している。

 優しく治療をする奥様は、お亡くなりになり。オヤジさんも、脳梗塞で倒れたので、娘二人で現在は行っている。

 若くて元気だった娘さんのお医者さんは、二人とも独身で現在は、それなりの、おばさんになり、俺の歯を治療してくれる。

 どうしました。外れた虫歯の金具を持ってきてください。

 すぐに予約は取れた。

 嫌だな、また、ゴリゴリ歯をいじられるのか。

 歯医者の椅子に座るのは嫌だ。

 娘さんの医者は、俺の歯を治療してくれた。

 そうですね、治療に数か月かかるでしょう。

 その病院は1週間に一度の治療をする。

 俺の虫歯をゴリゴリ機械で穿り回して、来週また治療に行く予約をして、家に帰る。

 夕方になると治療した歯が痛み出した。

 痛いな、それでも、いつものように、夕食で、お酒を飲んだのが、いけなかったのか。夜中に、歯の痛さで目が覚める。

 鏡で見てみると、顔が腫れている。

 ダメだ、これは。

 すぐに家内が持っていた、痛み止めの薬を飲んで、氷で冷やした。

 翌日、歯医者に電話をすると、すぐに来てくださいという。

 痛い歯を抑えながら、又、あの嫌な歯医者の治療用の椅子に座る。

 腫れていますね、ここが痛いですね。

 ぐいぐいと、腫れている俺の歯茎を触られる。

 イタタ―、イタタター。

 黴菌が入ったみたいですね、麻酔をしましょう。 娘さんは、俺の許可なく、注射器で歯茎に、ブスリと針を刺す。

 イテーーイテーーイテーーー。

 思わず、俺は叫んでしまう、すぐに終わりますからね、泣き騒ぐ俺にかまわず、注射は終わった、痛かったなーー

 麻酔が効いたのか、間もなく痛みは少なくなった。

 今日は、お風呂とお酒は止めてください。

 運動もやめてください。

 体が温まると。痛くなります。

 抗生物質の薬を出しますので、忘れず飲んでください。

 了解しました、ありがとうございました。

 痛かったなーー

 家に帰り、お風呂は止めた。夕食のビールは、どうするか。

 歯の治療した後をまだ消毒していなかったな。 ビールで消毒しなければ。

 ビールを飲むことに反対する家内の忠告を無視して、ビールを飲み干す。

 夜半に、又ズキズキと歯が痛み出したので、痛み止めの薬と氷で冷やした。

 翌日、又、歯医者に電話しよう思ったが、あの注射の痛さを思い出す。

 この痛さなら、まだ俺は我慢が出来るな。

 歯医者への電話は止めた。

 とりあえず今夜はお酒を飲むのを、止めにしよう。