有明海 小型機不時着

横浜みなとみらい

有明海 小型機不時着

 R4年4月18日、16時45分頃、熊本の有明海で小型機が不時着した。乗員3名は海上で救助されたが80代の2名は死亡したという。

 60代の乗員は、異状ないと報道された。

 小型機は、熊本阿蘇場外離着場を離陸している。

 飛行目的は、場内離発着訓練で、80代の乗員が、60代の人を訓練するという。

 80代の乗員は、俺の昔の仲間でなければ良いがと、家内と話をしていた。

 翌日の新聞を見ると、乗員の名前が出ていた、 俺が心配した、仲間であった、

 俺の若い時代、昔鹿児島勤務の時、日本初の製造飛行機YS-11に乗って、一緒に働いた、仲間の人物だ。

 明るく元気で、楽しい奴で、一緒に仕事をしても、楽しく出来た人物。

 早くに奥様が病気で亡くなり、若い自分の娘のような女性と再婚した。

 うらやましいなと、いつも冷やかしていた。

 彼の定年は、最後のYS-11機長として、テレビや新聞に出ていた人物。

 確か、定年後は小型機を購入して、死ぬまで大空を楽しむのだと言っていた。

 時には、俺に小型機に乗りに来ませんかと、年賀状に書いてきた奴。

 自分の小型機で天国に飛んで行った。

 墜落原因は調査中であるが、俺なりの予想は出来る。

 小型機の自家用免許の試験項目の中に、確か、Sターンと言って、海上、広い陸上で、飛行機でSの字を書く飛行法がある。

 飛行機の方向舵やエルロン翼の舵をスムーズに操作出来るかを判定される項目だ。

 人の良い、亡くなった俺の仲間は、訓練生の60代の人にサービスで有明海の上でこの訓練をしていたのでは、なかろうか。

 海の上を、Sの字でグルグル回る、飛行。

 サービス精神旺盛な、仲間は60代の人に一生懸命教えていたと思う。

 飛行機で、ぐるぐる回る時に注意しなければいけないのが、VERTIGO だ。

 空間意識失調をもたらす、錯覚。

 子供の運動会で父兄参加の競技で、お父さん参加、走る競技スタート後、真ん中で、下を見て3階ぐるぐる回って、ゴールへ走る競技。

 お父さんは、真ん中でぐるぐる回った後で一生懸命ゴールへ走るが、右にふらふら、左にふらふら、真っすぐに走れない。 バージコだ。 観客は喜ぶ。

 何でも、耳の3半規管の下にあるリンパ液が傾いてしまう現象になる。

 これと同じ現象が飛行機の運動でも、操縦者に発生する時もある。

 そのため、離発着時は、頭を固定して動かすなと、いうマニアルがある。

 訓練生と一緒に、Sターンのため、頭を動かして、不幸にして、この錯覚現象になったのでは、なかろうか言うのが、俺の推測だ。

 この錯覚現象は年齢に関係ない。

 何とかして、60代の人に、早く飛行免許を取らせたい、人の好い教官M君は思ったのであろう。

 ご冥福を祈ります。天国で俺にも、小型機に乗せて頂戴。