風邪を引いた

                                秋

風邪を引いた

 喉が痛い、風邪だな。

 テレビのコマーチャルの、のどが、イガイイガ、ずきずきの薬を買いに行かなきゃと思った、

 それにしても、俺の引いた喉の風邪は、熱が出ないな。

 体温計で計ると、36,3度か。

 たいしたことはないだろう。

 のど飴でもなめるか。

 そう思って、家内と話をしたら、声が出ない、 力を入れて発声すると、だみ声になる。

 これは大変だ。 家内は直ぐにお医者さんに行きなさいという。

 嫌だ、

 確か、数か月前に、熱が38度まで上がり医者に行った。

 熱のある人は、予約して午後にして下さい。

 午後に行くと、患者待合室とは、別の部屋に案内された。

 隔離されての診断だ。

 鼻の奥まで、綿棒を入れて、検査する。

 痛いな、

 もう少しです、我慢して。

 コロナの検査です。インフルエンザの検査も致しましょう。

 ビーカーに唾液を入れて、検査する、

 コロナではありません、すぐに、結果が出た。インフルインザの検査も異常なし。

 ただの風邪ですね、薬を出しますので、2-3日、休養して下さいと言われて、2日程、いつもの様に、生活していたら、熱は下がり風邪は治った。

 今回の風邪は、熱がでないが、声が出ない風邪だ。

 どうしよう、医者に行くべきか、行かざるべきか。

 鼻の奥までの、メン棒は嫌だ。

 俺は医者には、行かないよ。

 心配する家内に、反抗した。

 それにしても、声が出ないのには困る。

 近所の奥さんが、こんにちは、俺に挨拶をした。

 こんにちわと、俺は発声したが、しわがれ声、だみ声になる。

 あら、お風邪ですか。

 いいえ、声代わりです、声が変わって、ようやく大人になりました。

 ろくな大人ではありませんが。

 冗談を言うのにも、疲れる。

 私に、近寄らないで下さい。

 風邪が移りますよ。

 お大事にして下さい。

 熱がないので、いつものとうり剣道の稽古にも行った。

 剣道は気合が勝負だ。

 やあ――と大声で、俺は発声したが、変な声になってしまう。

 ギャーギャー かすれ声。

 相手が心配して、風邪ですね、稽古を止めて、お帰りになったら、と言うので、稽古は早々にやめて、家で焼酎を飲んだ。

 まだ、のどが痛い。